ラングドックの銘醸地モンペイルーの魅力を、
新しい解釈で伝える新世代の味わい
ジュリーとオレリアン。
30歳少しとまだ若い2人のカップルが、ラングドックの銘醸地、モンペイルーにて2012年から造り始めた設立まもないドメーヌです。造り手については追ってご紹介していきますが、初めに彼らのワインはいったいどんな味わいなのか?
『ル・プチ・ドメーヌ』が生まれるまでのラングドックワイン
ワインが水替わりに飲まれていた1970年代、ラングドックはまさにがぶ飲みワインを大量に供給してきた大生産地でした。当時、高品質ワイン産地と云えば、ボルドー或いはブルゴーニュとしか考えられておりませんでした。そんな時代にラングドックでも高品質ワインが出来るんだということを知らせてくれたのが、ドーマス・ガサック、レグリエール、サン・ジャン・ド・ベビアンのラングドック3傑です!
レグリエールは、まさにモンペイルーにある生産者、ドーマス・ガサックはすぐ近くのアニアンにある生産者です。水替わりのような従来のラングドックワインに対して、彼らのワインは濃厚で複雑味のある、従来のラングドックワインのイメージを覆す味わいで、ボルドーに全く引けを取らない高品質ワインがラングドックでも造れることを証明した、ワイン業界では画期的な出来事でした。
ラングドック世紀のミレジウムとなる1998年まで、どこまで濃厚なワインが造れるかが競われてきましたが、2000年ヴィンテージを境に目指すワインはエレガントへと潮目は変化しました。
その後10数年。このモンペイルーでも更なる変化が見られています。昨年来日も果たしたレスカルポレットの出現は印象的でした。濃厚・複雑の代名詞だったモンペイルーで、レスカルポレットはスカッとした清涼感のある、従来の味わいからは想像もできない美味しさのワインを世に出しました。そうして『ル・プチ・ドメーヌ』の誕生へと続くのです。
『ル・プチ・ドメーヌ』のワインは、スカッとした果実味の中に、じわ~と広がるモンペイルーならではの複雑味が感じられる、実に味わい深いものです。
彼らの目指している味わいは、“ピュアな果実味とスイスイ飲んでしまう飲みやすさ”。それもplus naturel possibleで!“出来うる限り自然に!”
さて、造り手はどんな人物なのでしょうか?
パリ出身のパリジェンヌ、ジュリーと、ペルピニャン出身のオレリアンは、ディジョンのワイン学校で知り合いました。それが運命の出会いとなり、以降ここモンペイルーでドメーヌを設立するまで共に活動することとなります。
ディジョンで醸造士国家資格と農業食品技師資格を2人揃って取得した後、世界各地でぶどう栽培とワイン醸造の経験を積んでいきました。フランスはもとより、ソノマヴァレー、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなど実に幅広い地域で様々なワイン造りをつぶさに体験しました。なかでも印象的だったのが、ここモンペイルー!モンペイルーでの体験が、その後のすべてを決定づけたのでした! 燦々と降り注ぐ太陽の下、ぶどうの木は元気に成長します。その無限の可能性に魅せられ、2人はいつかこのモンペイルーで自分たちのワインを造ろうと誓い合ったのでした。
そして2012年、その時がやってきました。 高齢のためぶどう栽培を続けられなくなった栽培家の持つ樹齢の古い木の植わった4.5haの理想的な畑を手に入れ、遂にここモンペイルーでのワイン造りが始まったのです。耕作が放棄されていた為、当初木の手入れが大変だったようですが、初の収穫を得、初ヴィンテージが出来上がりました。栽培はもちろんビオ、醸造もぶどうだけの自然醸造、亜硫酸はビン詰め時にほんの少しだけ。
生き生きとした果実味。
スイスイと飲める軽快な味わい。
その中に、モンペイルーの奥深い味わいがあります。
まさに、今までなかった美味しさの誕生です!