フランスの生産者
リュドヴィック・アンジェルヴァン

 
スロヴァキアワインといっても、殆どの方は???に違いあるまい。
事実、私たちはスロヴァキアに関する知識は殆ど持ち合わせていない。しかし、出会っ てしまったのだ!何というピュアな透明感ある味わいか。
オレンジワインは、更に奥深さが加わり、稀有な味わいに本当に驚いてしまった!
フランスとスペ イン以外のワインを輸入するなど全く考えていなかったにも拘らず、試飲しながらオーナーの娘カタリナの話を伺っているうちに、これは何としても日本の皆 様にお伝えしなければならないという使命感が沸々と込み上げてきたのだった。
 

スロヴァキアに於けるワイン造りの歴史は、2000年前にも遡るという。このワイナリー"スロボドネ"は、先祖が1912年にゼミアンスケ・サディの土地を買い、 農場を始めたのが初まり。ぶどうの他にも森林もあり、小麦や大麦、タバコなどを300haの土地で栽培していた。当時は、ヨーロッパで最大のタバコ乾燥場 を持つほどだった。
1920-30年代にはワインもかなり生産し、現在のチェコ共和国の首都プラハでかなり飲まれており、"3人のボクサーへ"Vers les Trois Boxeursというブランドはかなり有名だった。第2次世界大戦時、共産主義者によりこの農園は接収されてしまい、以降廃れてしまった。祖母が古い醸造所 で昔書かれた農場の資料を発見したのを機に、1992年両親は廃墟のように廃れたこの農場を復元することを決意した。
1995年、ようやく荒廃したぶどう畑 の再興に着手し、2010年には初めて自分たちのワインを市場にリリースするに至った。彼らの目的は、スロボドネを昔のように再興し、ゼミアンスケ・サディ の土地の特徴を表現する高品質なワインを造ることだ。土地の特徴を表現する手法として、自然と白ぶどうを醸すオレンジワインやぶどうの植わる土から 造ったアンフォラを用いた醸造が生まれた。
オレンジワインと赤ワインの醸造には亜硫酸も一切使用せず、瓶詰め時僅かに添加するのみ。
彼らの昔の栄 光を取り戻すワイン造りはまだ始まったばかりに過ぎず、今後更に素晴らしいワインを生み出してくれるに違いない!
 

 LD0110-16 白
Traja Boxeri
トラジャ・ボクセリ
ぶどう品種:フェルトリン(グリュナー・フェルトリーナー)100%
当ワイナリー白のベーッシックキュヴェ。1920-30年代に当ドメーヌが造っていたワインを再現して造り出したスロボドネのオリジンともいえるキュヴェ。当時”ソーヴィイニョン””フェルトリン””リースリング”の3つの品種を年の出来により使い分けていたことから「トラジャ・ボクセリ」(3人のボクサー)と呼ばれていた。ステンレスタンクで自然発生的に発酵させ、6か月熟成後軽くフィルターに掛けてビン詰め。柑橘系の果実味豊かで締まった酸が魅力のワイン。アル10.5度で軽やか。
 LD0111-13  白
INTERVAL 101
インターヴァル 101
ぶどう品種:リースリング100%
共産党の支配下になる以前、リースリングはこの地の代表的ぶどう品種であった。その伝統を再興すべく2008年に再び植えられたリースリングで100年ぶりに造られたのが2012年、「100年ぶりのリースリング」という意味を込めて”Riesling100"と命名された。2013年は2年目なので"Riesling101"!この地で新たなるワインの伝統が再び始まった! 18時間の澱下げの後、18か月古樽熟成。洋梨の様な果実味に樽香が重なり、リースリングらしいペトロール香を感じる。フレッシュな口当たりで詰まった黄色果実と締まった酸が魅力。
 LD0107-15  白
Pinoter
ピノテ
ぶどう品種:ピノ・グリ90%、フェルトリン10%
ステンレスタンクで自然発生的に発酵させ、6か月細かい澱と共に熟成。醸造中はSO2は使用せずビン詰め時に僅かに加えるのみ。 淡い麦わら色。白い花や夏みかんのような香り、アタックにフレッシュながらやや厚みを感じ、キンカンやポンカンの果実味が口中に広がる。余韻に少し苦みとミネラル感が残る。
 LD0108-15  橙
Orangista
オランジスタ
ぶどう品種:ピノ・グリ100% 
10%の果汁と共に房丸のままのぶどうを炭酸ガス環境下で発酵。つまり軽い醸しがMCと並行して35日間ステンレスタンクにて行われる。フィルターには掛けず醸造中にはSO2も使用せず、ビン詰め時のみ僅かにSO2添加。際立ったオレンジ色。金柑やオレンジを感じさせる香りに仄かに白コショウのピリッとする香りを感じる。フレッシュな口当たりで果実味とタンニンのバランスが心地よい。
*次ヴィンテージ入荷待ち
 LD0109-15  橙
Cutis Pinoter
クーティス・ピノテ
ぶどう品種:ピノ・グリ100%
”クーティス”とはラテン語で「皮」を意味する。つまり果皮と醸しをした「オレンジワイン」のこと。ステンレスタンクで除梗破砕したぶどうを35日間醸し、自然発生的に発酵が始まる。ピジャージュを1日3回行い、フィルターには掛けず醸造中はSO2も加えずビン詰め時のみ僅かにSO2を添加。やや茶掛かったオレンジ色。金柑の皮、熟した果実風味に枯葉のニュアンスがある。凝縮した金柑の果実味に、紅茶の様なタンニンとミネラル感が続く。
 LD0104-13 赤
Partisan cru
パルティザン・クリュ
フランコカ・モドラ50%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%、アリベルネ25%  
フランコフカ・モドラはスロヴァキア、オーストリア、ハンガリーの伝統品種、アリベルネはスロヴァキアの伝統品種。野生酵母の働きで1日3回ピジャージュをしながら自然に発酵させた後、品種ごとに18ヶ月樫の大樽で別々に熟成し、翌年の春にブレンド。ビン詰め時のみ僅かに亜硫酸を加え瓶詰め。
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