ブドウへの飽くなき情熱

ラヴニール営業担当の福田です。引き続き、先月訪問したスペインの生産者「ベントレイ」編です。
私たちはこれまでずっとブドウのためだけに投資をしてきた
そう語るのは、醸造長ジュゼップ・マリアの妻であり、畑のことを知り尽くしているヌリアです。
彼女は「ソムリエールでもないし、専門用語ばかりでワインを語るのは楽しくない」と謙遜します。しかし、テイスティングイベントでは、畑で採れたフェンネルやプラム、ローリエ、セージなどをワインと一緒に香りを確認することで、その土地のテロワールを五感で感じてもらう独自のスタイルでワイン好きをもてなしているそうです。
彼女は「ソムリエールでもないし、専門用語ばかりでワインを語るのは楽しくない」と謙遜します。しかし、テイスティングイベントでは、畑で採れたフェンネルやプラム、ローリエ、セージなどをワインと一緒に香りを確認することで、その土地のテロワールを五感で感じてもらう独自のスタイルでワイン好きをもてなしているそうです。
成長の軌跡とブドウへのこだわり
2000年に9ヘクタールから始まった彼らのワイン造りは、今や30ヘクタールもの畑を抱えるまでに発展しました。これはひとえに、自分たちのために贅沢することなく、ブドウのためだけにボデガを発展させてきた結果だといいます。「クリシェかもしれないけれど、良いワインは良いブドウからしか生まれない」と力強く語るヌリアの明るい人柄も、彼らのワインに反映されているのかもしれません。
祖父母が植えた畑はゴブレ仕立て、彼らの代で植えたのはギヨードゥーブル仕立て。剪定方法が異なるため、畑を見れば誰が植えたのか一目瞭然だそうです。畑は広大ですが、本当に良いブドウだけを自社で瓶詰めするため、年間生産量は約6万本と限られています。
代表的なキュヴェであるセレという名前は、内陸から吹きつける暖かく乾燥した風を表しています。このセレに加え、海からの冷たい風、そしてモザイク状に広がる多様な土壌が絡み合い、独特のミクロクリマを形成することで、プリオラートよりも多様で複雑味豊かなワインが生まれるのだとか。
祖父母が植えた畑はゴブレ仕立て、彼らの代で植えたのはギヨードゥーブル仕立て。剪定方法が異なるため、畑を見れば誰が植えたのか一目瞭然だそうです。畑は広大ですが、本当に良いブドウだけを自社で瓶詰めするため、年間生産量は約6万本と限られています。
代表的なキュヴェであるセレという名前は、内陸から吹きつける暖かく乾燥した風を表しています。このセレに加え、海からの冷たい風、そしてモザイク状に広がる多様な土壌が絡み合い、独特のミクロクリマを形成することで、プリオラートよりも多様で複雑味豊かなワインが生まれるのだとか。

家族の絆と新たな挑戦
通常のワイン造りは、夫婦を含め4人のチームで行っています。しかし、収穫期だけはさすがに人手が足りないため、親戚一同が集まってお祭りのように盛大に収穫を行うそうです。
「健全なワインを造るためには健全な設備が必要」という考えから、2019年から2020年にかけて現在タンクが置かれている建物を建設しました。自然なブドウ栽培をしていると収量が年によって左右されるため、ブドウの量が少ないことで多く酸素に触れてしまうのを防ぐために、様々な大きさのタンクも9つほど購入したといいます。
そんな矢先にコロナが世界を襲いました。
ヌリアは「もう一生このままなんじゃないかと不安だった」と語ります。 建物も新しいタンクも決して安価なものではなく、贅沢ができるほど稼いでいるわけではなかったからです。
そんな矢先にコロナが世界を襲いました。
ヌリアは「もう一生このままなんじゃないかと不安だった」と語ります。 建物も新しいタンクも決して安価なものではなく、贅沢ができるほど稼いでいるわけではなかったからです。

しかし、そんな苦境を乗り越えた家族の絆はさらに深まりました。
2021年には、3人の娘さんたちが関わるプロジェクトがスタート。
収穫から抽出、熟成まで3姉妹が携わり、ワインの名前も現地の言葉で「3姉妹」と名付けられました。生産量は限られており、日本への輸入が実現するかは未定ですが、「末っ子が一番ワイン造りに興味を持っているのよ」とヌリアは嬉しそうな表情を浮かべます。
さらにこの年からは、SO2を全く使用しないキュヴェ「ラ・セルベラ」も造り始めました。このラベルに描かれた木は、彼らが別の区画で所有する畑に実際に生えているナナカマドで、霧の日に撮影したものだそうです。
2021年には、3人の娘さんたちが関わるプロジェクトがスタート。
収穫から抽出、熟成まで3姉妹が携わり、ワインの名前も現地の言葉で「3姉妹」と名付けられました。生産量は限られており、日本への輸入が実現するかは未定ですが、「末っ子が一番ワイン造りに興味を持っているのよ」とヌリアは嬉しそうな表情を浮かべます。
さらにこの年からは、SO2を全く使用しないキュヴェ「ラ・セルベラ」も造り始めました。このラベルに描かれた木は、彼らが別の区画で所有する畑に実際に生えているナナカマドで、霧の日に撮影したものだそうです。
これからの展望
ヌリア曰く、5年間の下準備期間と20年間の投資期間を終えた今、これ以上畑を増やすことは考えておらず、どんな新しいことができるのかを模索中だといいます。
ちょうど完成したばかりの2024年ヴィンテージのワインを試飲しながら、これまで造ってこなかったロゼのキュヴェや、白のサンスフルのワインなどの構想を聞かせてもらいました。
新しい挑戦を始める彼らの今後が非常に楽しみだと感じられた訪問でした。
ちょうど完成したばかりの2024年ヴィンテージのワインを試飲しながら、これまで造ってこなかったロゼのキュヴェや、白のサンスフルのワインなどの構想を聞かせてもらいました。
新しい挑戦を始める彼らの今後が非常に楽しみだと感じられた訪問でした。
