
人里離れたブドウ畑への旅
ラヴニール営業担当の福田です。
先月スペインの弊社がインポートしている生産者を訪問しました。
社内で誰も訪れたことのない生産者のもとへ向かう道中、私は不安に駆られていました。事前に得られた情報は、生産者から送られてきたボデガと畑の写真だけ。SUVを予約したはずが、レンタカー会社の「粋な計らい」で、まさかのスポーツカータイプをあてがわれ、山道を走る前から早くも心が折れそうになっていました。
「本当にこの道で合っているのだろうか?」
社内で誰も訪れたことのない生産者のもとへ向かう道中、私は不安に駆られていました。事前に得られた情報は、生産者から送られてきたボデガと畑の写真だけ。SUVを予約したはずが、レンタカー会社の「粋な計らい」で、まさかのスポーツカータイプをあてがわれ、山道を走る前から早くも心が折れそうになっていました。
未知の道、そしてアルバロとの出会い
地図アプリを頼りに数十分走り続けると、対向車が来たら立ち往生してしまうような細い道に差し掛かりました。そして目の前には「川」が。
深さもわからず、引き返すこともできない状況で、私は先行車のタイヤの跡だけを頼りに川を渡り始めました。その後もぬかるみにタイヤを取られそうになりながら進み続け、、、ようやく人の気配が感じられる場所にたどり着きました。
深さもわからず、引き返すこともできない状況で、私は先行車のタイヤの跡だけを頼りに川を渡り始めました。その後もぬかるみにタイヤを取られそうになりながら進み続け、、、ようやく人の気配が感じられる場所にたどり着きました。

「アルバロさん? ラヴニールのRyoです!」
ビデオ通話でしか話したことのなかった彼でしたが、一目でアルバロだとわかりました。その瞬間、私は生き返った心地がしました。

カタルーニャの歴史と恵まれたブドウ畑
早速、アルバロは私を畑へと案内してくれました。
1520年まで遡るマシアで、カタルーニャ建築遺産にも指定されている「Can Rimundet」(現在はRaimundetと表記・発音されるようです)の建物に感動を隠せないまま、私たちは畑へ歩を進めました。
「最近大雨が降ってね、ここまで来るのも大変だったんじゃないかな。君が来た道は近いけれど険しい道なんだよ。でも、よく来てくれたね!」
*後日談ですが、教えてもらった別の帰り道もなかなかの道でした…
*後日談ですが、教えてもらった別の帰り道もなかなかの道でした…
この地域はワインの産地としては比較的肥沃な土地だそうで、グリーンハーベストの時期が非常に重要とのこと。温暖化の影響でブドウが焼けるのを防ぐために、葉を減らしすぎないことも大切だといいます。肥沃な土地をうまく利用し、太陽に向かって伸びるチャレロの葉が、最終的には自重で傘のように倒れ、ブドウを太陽の光から守るのだそうです。
近年の気候は、2021年から2023年までは乾燥した年が続き、2024年は3月の雨のおかげでベストヴィンテージになったとのこと。しかし、2025年は雨が多く、カビなどの病気の被害が多かった2020年に近いのではないかと懸念しているようでした。

エンジニアからワインメーカーへ:アルバロの挑戦
アルバロはワイン造りを始める前はエンジニアで、パソコンを使うことが多かったそうです。彼は低アルコールでもしっかりとした味わいを感じるワインを好んでいます。伝統的なスペインワインはアルコール度数が高く、樽を使った濃厚なタイプが主流とされている中で、アルコール度数が高いワイン=安いワインとさえ言われるペネデスで、彼は理想的な畑を手に入れ、ワイン造りを始めたのです。
正直なところ、ウクライナ戦争によるスペインへの影響は大きく、ロシアからのガス供給停止による経済的な打撃は大きいといいます。特に瓶代が大きく上がった2023年以降も、変わらず安価で高品質なワインを造り続けてくれているアルバロには、本当に頭が下がります。今回の訪問で改めて彼のトップキュヴェ「カンライムンデ」の素晴らしさに触れることができ、その喜びを少しでも早く日本の皆さまにも共有できれば光栄です。
